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【書評】『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』を読んでみた

こんにちは! スマレジ テックファームのMichiです!

『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』という本を読んでみました。今回の記事はその書評になります。

本の概要

本書は、現役ライターの筆者2名が名著100冊を読み込み、文章のプロが持つ共通のノウハウを洗い出し、ランキング化したのものです。

  • 1~7位 「すべての人に身に着けてほしい7つの基本ルール」
  • 8~20位 「ワンランク上の文章を書くための13のポイント」
  • 21~40位 「気を付けるとさらに文章がよくなる20の秘訣」

といった具合で、本書では合計40個の「わかりやすい文章を書くコツ」を紹介しています。

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 | 藤吉 豊, 小川 真理子 |本 | 通販 | Amazon

自分もこうしてブログを書いており、またリモートワークでテキストコミュニケーションをする機会も多いので、「もっとわかりやすい文章を書くにはどうすればよいのか?」と考える機会は多いです。

そういうわけで、本書を読んでみることにしました。

自分なりに気になったランキングの要約

1~40位までのすべてのランキングを紹介することはできないので、今回は自分が気になった・ためになった項目をピックアップしてお伝えします。

1位 文章はシンプルに

「シンプルに書く」とは、「なくても意味が通じる言葉を削る」ということです。

では、「なくても意味が通じる言葉」とは、どのようなものでしょうか?

  1. 接続詞 ... 「そして」「しかし」「だから」など
  2. 主語 ... 「私は」「彼が」など
  3. 指示語 ... 「その」「それは」「これは」など
  4. 形容詞 ... 「高い」「美しい」「楽しい」「嬉しい」など
  5. 副詞 ... 「とても」「非常に」「すごく」「かなり」など
  6. 意味が重複する言葉 「まず最初に → 最初に」「思いがけないハプニング → ハプニング」「余分なぜい肉 → ぜい肉」など

また、一文の長さを60文字以内にすることも、文章をシンプルにするテクニックです。60文字を超えそうな場合は、一度「。」で文書を区切り、その後に改めて続きの文章を書きます。

3位 『文章も「見た目」が大事』

紙面、誌面、画面いっぱいに文字が詰まっていると、読む気が失せてしまいます。

そこで、文章の見た目を整えるために、3つのテクニックを使います。

  • 余白
  • ひらがなと漢字の使い分け
  • リズム

「余白」とは、文字、写真、画像がない部分のことです。文章のプロの多くが「余白のない文章は読みにくい」と指摘しています。

余白を作るには、行間をあけ、「空白行」を意図的につくることが大事です。

次に、「ひらがなと漢字の使い分け」ですが、漢字が多すぎると、文章全体が固い印象になり、また字面が黒くなって、読みにくくなります。

目安としては、漢字:ひらがなの割合は3:7程度にするとよいでしょう。

最後に、「リズム」というのは、改行のタイミング、段落の区切り方、句読点の打ち方などによってつくられる文章のリズムです。特に、ブログやSNSなど、パソコンやスマホで読む文章の場合はこまめに改行するほうが読みやすくなります。

目安として、ブログやSNSでは2~3行でひとつの段落とするのがよいようです。

7位 『接続詞を「正しく」使う』

接続詞を使うときに気を付けるべきポイントは、次の4つです。

  1. なくても意味が通じる場合は削除する
  2. 順接(「だから」「それで」など)の接続詞はなくてもよい場合がある
  3. 逆説(「しかし」「だけど」「でも」など)の接続詞は、あったほうが文章が伝わりやすい
  4. 論文では、接続詞が多くなってもかまわない(論理展開を正しく読者に伝えることが目的のため)

「1位 文章はシンプルに」の項でも書いたように、なくても意味が通じる言葉は削除するほうが、文章がすっきりとします。接続詞の場合、それは順接に当たることが多いです。

11位 『主語と述語はワンセット』

主語と述語が離れていると、どの主語がどの述語に対応するのかわかりづらくなります。

悪い例

山田さんが、子どもたちが林間学校に出かけていないので、週末に天気がよければ佐藤さんに声をかけて3人で高尾山に登ろうと誘ってくれた。

良い例

子どもたちが林間学校に出かけていない。もし、週末に天気がよければ、佐藤さんに声をかけて、3人で高尾山に登ろうと 、山田さんが誘ってくれた。

良い例では、主語と述語の距離を近づけたので、両者の関係がわかりやすくなりました。日本語は語順を入れ替えても通じる言語ですが、そのせいで文章がわかりにくくなることもあります。

16位 『「わかりにくい」と思ったら修飾語を見直す』

主語・述語の関係と同じく、修飾する語とされる語は近くに置くのが基本です。

悪い例

原稿を印刷所に渡すまでの時間があまりなかったので、大急ぎで私が仕上げた原稿に編集者は目を通した。

良い例

原稿を印刷所に渡すまでの時間があまりなかったので、私が仕上げた原稿に編集者は大急ぎで目を通した。

悪い例では、「大急ぎで」が「(私が)仕上げた」にかかっているのか、「(編集者が)目を通した」にかかっているのかわかりにくくなっています。「大急ぎで」が、両方の述語にかかる可能性があるからです。

修飾する語は、修飾される語の近くに置くと、どちらに意味がかかるのかがはっきりします。

まとめ

近年読んだ本の中でも、かなりの良書だと思いました。ホワイトカラーの仕事をしている社会人は、一度は読んでおく方がよいと思うくらいにおススメです。

「わかりやすい文章を書くコツ」を紹介している本だけあって、本書の文章も非常に読みやすく、内容がすらすらと頭に入ってきました。

自分はどちらかというと、他人の書いた文章を読むのは苦手な方なのですが、この本を読むときは一切苦痛がありませんでした。文章のテクニックを知っているだけで、こんなにも変わるものなのかということを実感できた気がします。

このブログをはじめてから1年経ちますが、もっと早くに出会いたかったなという1冊でした。